● 社会・心理・メディアってなに?
これらは、欧米では経済学などと同じく「社会科学」の中に入るのですが、 日本では文学部の中に設置されていることが多いようです。 最近では生態学、生物社会学やロボット工学などと合わせて、「行動科学」とも言います。 そういう場合は「人間科学部」などに含まれる場合もあります。
社会学は比較的新しい学問分野で、人間社会に関わるありとあらゆる分野を、 観察・統計・理論・フィールドワークなど実に多種多様な方法で研究します。 特にメディア学や情報関係は、単独で学部・学科が設置されている大学もあります。
ただし、扱う範囲が多様であるだけではなく、研究対象・研究方法も様々なので、 その大学にどんな先生がいて、どんな傾向の研究をしているか確認しておかないと、 入学してからイメージが違う、ということになりかねません。
一方、心理学は人間の精神に関わる現象を、 主に実験・観察・統計的な手法で研究します。 ただ研究方法は多岐にわたり、 臨床心理などでは「人の悩みを聞く」という治療やケアのような場面も出てきます。 また教育学部では教育心理という分野がありますが、これは子供の発達心理学ですね。
- 社会学
- メディア学・女性学(ジェンダー学)・観光学・文化人類学・家族研究・都市研究など
- 心理学
- 認知心理学・感情の心理学・社会心理学・臨床心理・教育心理など
● 進路はどうなる?
現代社会のさまざまな事件・出来事をあれこれ研究し、 社会全体の動きを捉える方法を学びます。 だからマスコミや放送関係など様々な社会現象や多様な情報を扱う仕事に就く人が多い。
社会学・心理学 = 文系の中では実証的、応用が広い
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出版・放送・マスコミ
また、社会学・心理学は、統計データの扱いなど研究の方法の点で、理科系分野との重なりもあります。 そのためIT関連の就職 あるいは、心理学ならカウンセラーなど医療関係との結びつきも考えられます。
社会・心理・メディア + 理工系技術 = IT関連・情報通信
心理学 + 医療 = カウンセラーなど
● どんな人に向いている?
社会学は、現代の出来事に興味を持って、それはどうして起こっているのか、 これからどうなるのか、 などと興味を持つ人に向いています。 人間関係や社会関係に関心を持てるかどうか、ですね。 ただし、学問を純粋に究めようと思う人には、ややとりとめない感じがするかもしれません。
一方、心理学にも共通しますが、現実のデータとの対応を重視するために、 実験や調査を延々とやることが多い。 その意味で、フットワークの軽さと根気強さも必要になるでしょう。
社会・心理・メディア = 現実の多様な事柄に興味が持てる人向き