● 理学・工学・環境ってなに?
数学や物理学、化学、生物学といったいわゆる自然科学の基礎となる研究を行うのが理学部です。 基礎研究志向が強いと考えればよいでしょう。
それに対して、建築や金融、情報など様々な対象に基礎研究の成果を活かしてアプローチしようというのが工学です。 研究対象のモデルを作りその仕組みを数学・物理学等々で分析し、もの作りにまでつなげる、いわば応用研究ですね。
なかでも最も応用的な分野である「環境」は、 環境問題を重要視して独立した学部としている大学も多くなっています。 環境問題は、自然科学・社会科学・人文科学すべての領域から考えられる総合的な問題です。
- 理学
- 数学・物理学・化学・生物学・地球科学など
- 工学
- 建築・電気/機械工学・遺伝子工学・都市工学・情報工学・金融工学など
- 環境
- 生態学・環境倫理学・環境経済学・環境社会学・都市環境学など
● 進路はどうなる?
研究志向の強い人が集まるためそのまま大学院に進んだり、 企業に就職しても研究・開発部門で働く人が多いようです。 理学部・工学部ともに、企業側が研究・開発部門への新入社員候補として学部・大学院へと声を掛けている場合もあります。 大学の推薦で就職するという形をとることも多いですね。
また、工学はデザインのための専門的な技術を多く学ぶため、設計や測量といった仕事にもつながっています。
理学・工学・環境 = 研究志向が強い・専門性が高い
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大学院・研究・技術開発・設計
さらに、数理的な分析技術が養われるため企業内の調査・リサーチ部門で活躍する人もいますし、 通信など様々な社会システムの設計に携わるシステムエンジニア・プログラマといった道に進む人も多いです。
理学・工学・環境 + 経済・経営 = 調査・アナリスト
理学・工学・環境 + 社会・メディア = IT関連・通信
● どんな人に向いている?
理学系の分野に進むためにはとにかく数学的思考力・論理的思考力と学問的興味が要求されます。 論理の筋道をパッと理解できるセンスと、 継続して勉強し続けることが苦にならない興味、関心、そして体力が前提になります。 いわば脳ミソの運動神経とスタミナが求められるのですね。
これは環境関連でも同じこと。 地道な調査、データを扱うことに苦痛を覚えるようではいけません。 しばしば理学系の人が「オタク」と思われがちなのも、まさに好きでないとやっていられないからだ、と言えます。
また特にこの分野では、教官と学生との関係が徒弟制の様相を呈しています。 明確な上下関係の下、師匠について勉強するうちに手法を身につけていくということがほとんどです。 その意味でも実は体育会系に近い精神性を持っています。就職後も大きな仕事にチーム単位で携わることが多いので、 チームワークの良さ・役割意識が必要でしょう。
理学・工学・環境 = 理数系体力派