●法学・経済学ってなに?
法学では社会関係とその秩序を学びます。法律・政治は社会を直接コントロールする方法です。 だから、それを学ぶことは社会の建設・維持に関わることでもあります。
法学分野には、次の三つが主なものでしょう。
- 法律学
- 法律の解釈を学ぶ。 民法とか刑法などの他に、 ローマ法とか法哲学・法社会学など
- 政治学
- 政治を学ぶ。 「正しい政治とは何か」 「投票行動はどう決められるか」 「議会制民主主義とは何か」など
- その他(国際政治学・地球環境法律学など)
- 上記二つのバリエーションで「環境」「国際」などという流行語が入っている
一方、経済学は二つに大きく分かれます。
- 経済学
- 社会全体の経済システムを学ぶ、価格や需要のメカニズム、金融・財政の仕組み、統計など
- 経営学
- 企業の仕組みを学ぶ、会計学、会社組織、マーケティング、リーダーシップなど
● 進路はどうなる?
この二つは実学だと言われています。 それは、法律家や会計士、税理士という資格を取れるからではありません。 資格を取るには、大学を出て、さらに数年苦しい勉強に耐えて試験にも合格する。 そのような道をとれるのは一部のエリートだけです。
実学と呼ばれるのは、企業や行政で、法律・経済を勉強した人を採用することが多いからです。 企業は経済・経営の仕組みが分かっている人の方が使いやすいし、 行政では法律に基づいた処置をする。 その意味で、メーカー、金融、マスコミなど幅広い分野に行くことができます。
また、政治学は法律と違って すぐ職業的技術に結びつくわけではありませんが、 法学部ということで、ほぼ同様に見られます。 だから、就職の傾向も似てます。 一般的に言って、 法律家や研究者などを目指さず法学部に行くと、 組織の中でどんな仕事でも担当できる ジェネラリストとしての活躍を期待されると思っていいでしょう。
法学・経済学 = 組織のシステム・秩序を学ぶ
▼
企業全般の総合職や公務員など幅広い就職
また、現在の経済学では数学・統計学を特に重視する傾向にあります。 そのぶん、企業のリサーチ部門やアナリストの道へ進んでいく人も多くなりました。 入試や入学後の勉強が以前よりつらくなっていく傾向にありますが、 その分、将来の職業への接続が強まっていると考えてよいでしょう。
法学・経済学 + 理学・工学 = 調査・アナリストなど
● どんな人に向いている?
文科系で就職の幅の広さを重視するのなら、 法学部か経済学部を選ぶのがよいでしょう。 とくに自分がやりたいことがはっきりと決まらないのなら、 とりあえず社会への応用の間口の広い方が有利だからです。
日本社会は産業によって支えられていますから、 社会への応用が広いということは、実際には、 会社などの組織の中で他者と協力して仕事をしていくことになります。 つまり、ビジネスマンやサラリーマンと言われる社会の多数派の人々をつくりだすのが、 主な役割でしょう。 現在の社会では、企業組織の中で働くのが、もっとも安定性が高い。 したがって、持続的・安定的に仕事を続けていきたいという人は、 法学や経済学を専攻しておくとよいでしょう。
法学・経済学 = 安定した将来を見据えて勉強する人向き