■まず解釈したら、モデルを作り、そのモデルに基づいて、結果を予測しなければいけない。
●モデルって、前節でも言ってましたね。先生こだわってません?
■モデルを作ることはね、原因がどうやって結果として表れてくるか、そのメカニズムを見いだすことなんだよ。
●メカニズム?
■たとえば、地球温暖化という現象は、いくつかの要因が重なって引き起こされている。先進国の高度消費社会、途上国の経済発展、あるいは東欧諸国の環境技術の遅れとか。
●いろいろ複雑なんですね。
■それらが、どう組合わさって温暖化を引き起こしているのか、どれが原因として大きいか、その関係を探るわけだ。
モデル化の例―人口と経済
簡単な例を出そう。世界全体の一年のCO2の排出量は、先進国のCO2排出量と途上国のCO2排出量を足したものだよね。今ロシア・東欧の影響は無視すると
世界全体の排出量=先進国の排出量+途上国の排出量
となる。この右辺の量を変化させて、全体量がどうなるか、考えるわけ。右辺の量はどのように決まるかな?
●CO2の排出量は、人口が多くなると増えるんでしたよね。インドや中国がそうでした。
■それから経済成長も重要だね。CO2 は経済成長すると着実に増える。
つまり。人口と経済活動の規模で排出量が決まるから
|