■教科書の知識はもちろん大事だけど、それだけでは小論文には十分ではな いね。前にも言ったけど、小論文の試験は「受験テクニック」以外の情報収集力を見る。環境問題、ゴミ問題、国際化などは、現代人ならちゃんと 分かっていなければならない重大な問題なのだけど、世界史や日本史の守備範囲じゃないし、現代文とかで断片的に取り扱っても体系だって学習しないし、国語の先生も余り知らない。
●そうすると教科書だけじゃしようがありませんね。
新聞は役に立つ
■君は新聞とか毎日読んでいる?
●読んでません。だってお父さんが会社に持って行っちゃうんだもん。それに朝はトイレに新聞持って入っちゃうんですよ。
■残念だね。新聞は現代を知るためには、いい情報源なんだけどね。
●新聞なんて役に立つんですか? ホラ朝日新聞で言っていることと、日本経済新聞で言っていることと内容が違っている、とかよく聞きますけど。
■まあ、そういうこともあるけどね。でも君たちが利用するレベルだったら、そんなことは問題にならない。
●でも新聞読むのって、ちょーメンドくさくないですか? ページ数もたくさんあるし、どこ読めばいいか分かんない。
■もちろん全部読むことはないよ。政治面とか経済面は小論文には役立たない。むしろ家庭面とか生活欄とかに面白い問題が書かれているね。 たとえば介護の問題や少子化、少年犯罪、教育など現代の重要な問題はだいたい家庭面とか生活欄に書いてあるね。また論壇などという署名記事 のコーナーも見ておくといいね。
新聞は家庭・生活欄をチェックする
情報をまとめた本もある
●政治面や経済面の記事はなぜ役に立たないんですか?
■もともと政治は意見の対立が大きいし、経済に必要な知識は、だいたい高校のレベルを超えちゃっているからね。
●それだと読む分量は結構少なくなるかも。でもやっぱり毎日チェックするのってちょーメンドイ。
■そういう面倒くさがりやのためにはね、「大学入試に出た××新聞」なんて本もあるね。過去の新聞記事で入試に出た話題が並べてあるんだ。でも最 新の情報は載っていないのがちょっと問題だけど。
●この間本屋で「現代用語の基礎知識」とか「日本の論点」なんて本があって、もしかしたら小論文に役に立つのかなって思ったんですけど。
■悪くはないよね。ただそういう本でいちばんスペースがとってあるのは政治経済で、大学入試で使う話題は全体の半分くらいかな。
●ちょっともったいないですね。2000円以上して高かったし、買わないで 帰って来ちゃいましたよ。
■実は私も参考になる本を出しているんだけど。
●でたー! 先生直筆のご本かー。
■「論文試験頻出テーマのまとめ方」(実務教育出版)という本だけど、実は大学受験用ではなくて、公務員の採用試験用なんだ。でも話題は大部分重なっている。見やすいようにいろいろ参考書として工夫しているので、い いと思うよ。
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