Homework10

Basicコース最後の課題をやってみよう。
今日はけっこう手強いぞ。書いたらmailで送信。
納得するまで書き直して完成させてみよう。

■つぎの文章及び資料を参考にして、セクシャル・ハラスメントに関するあなたの考え(意見及び問題解決)を1,000字以内で述べなさい。


1,「妻会の席で『○○チャーン、課長のご指名だから隣でお酌をしてあげて』と、進行役のAさんにいわれて隣に坐らされて課長の接待役をやらされた。はじめのうちは『君は美人で社内でも評判だよ、仕事もなかなかなんだって……』などといわれていたが、そのうちに『顔だけでなく、なかなかいいボディをしているじゃない』などと言い、いつの間にか腰に手を回してきて、黙っていると撫で回すしぐさまで……。手を払って逃げたところで、Aさんが『減るもんじゃないから、この際サービス、サービス』と追いかける。そして、男性の同僚も『○○チャーンがんばって』などと甲高い声でヤジを入れる。誰一人止める者もいない。思わず、『やめて下さい』と手を払いのけると『おいおい本気かい? 飲んでいる席なのに、もっと楽しくできないの?』だって。こんなことまでやられて楽しいわけがないでしょう。もう、頭にきて、悔しくて悔しくて」

2,「仕事の打合わせということで呼び出され『まあ、今後は長いつきあいになるのだから食事でもしながら』ということになった。シリーズものの取材をやらせてくれるということで、担当部長の機嫌を害してはとの配慮に、相手の合話はどんどんエスカレートして、『私の気に入ったTは、E誌の常連ライターになった。私の機嫌を損ねたMは、ライ夕−として生きていけなくなった』などといい、そのうち『どう、今晩は今回のシリーズのテーマについてとことん話し合わないか』と誘われた。びっくりしたが、正直いって、迷った。『ここで、部長のいうことを聞けば、長年夢見てきたライターとして一人立ちできる』との思いが駆けめぐったが、何となくみじめな気持ちにもなり、自分でも驚くほどあっさりと『そんな気持ちはありません』と断った。今は、本当に断って良かったと思うが、一瞬でも迷わされた現実に男の身勝手というか、弱みにつけこんだ狡さを教えられる思いがした」

3,「交通事故を起こし、一か月近く入院をした。その後、退院して自宅からリハビリ通院をしていたが、その報告のために会社に連絡をしたところ、上司が『忙しくて見舞いにも行けなかったので、今後のことの相談もかねて見舞いに行こう』といい出した。女の独り住まいでもあり、しかも足がまだ不自由なことから固辞したが、『今後の相談もあるし……』としつこくいうので、あまりむげにもできず了解した。
 見舞いに未た上司は、『普通なら休んでいる間の給料は払えないのだが
独り身で大変だと思って待別に支給をした』といった。『当面はリハビリ通院をしながらの勤務だが、経済的な間題もあるので、何とか出勤したい』と相談すると『経済的なことについては、いろいろ面倒をみてもいい、心配するな』といわれた。
 話しているうちに、『仕事に耐えられるのかどうか、傷口をみせてみろ』などといわれ、足でもあるので拒否をしたが、『何もしないから』といい、強引にさわるなど異様な態度をとった。
その場は、『傷が完全に直っていないのに、そんなことをしないで下さい』と手を払いのけて逃げたが、『ずいぶん過敏なんだな、どうということではないじゃないか』と不満げな態度であった。
 その後、『仕事で近くまで来たので寄った』と部屋にあがりこみ、『足をさすってやろう』とか『足が不自由だと肩がこるものだ』などといって、何かと身体にさわりたがり、いやらしい行為をしてきたので、『もう来ないで下さい』とはっきり拒否をした。
 しかし、その後も『あんまり嫌うもんじゃないよ、大人になって生きていかないと大変なことが多い世の中だから、うまくやろうよ』『私のいうことをきかないと会社にもいづらくなるよ』などといって、露骨に性的な関係を求めてきた」
 こんな、どこにでもありそうな出来事が、セクシュアル・ハラスメントという表現を持ったことで、働く女性のテーマとして大きな話題となってきた。しかし、一方で「なぜそんなことが間題になるのか」という男性からの反応もあり、議論はにぎやかである。
このセクシュアル・ハラスメントという用語は、文字通りアメリカで生まれたものであり、今日議論される概念もとりあえず、それによっていることが多い。したがって、用語によって与えられた表現力はともかくとして、日本社会そのものへの馴染みが薄いこともあり、さまざまな議論を呼ぶ余地も残している。
(金子雅臣ほか「セクシュアル・ハラスメント」有斐閣、1991年より抜粋)

      

資料1■ 男女の意識及び認識の差 

 女性の仕事に対する意欲は高まっています。男性の中には、「女性(妻)は家庭を守るべきであって、職場においては補助的な存在である」とする意識をもつものが少なくありません。
 女性社員に対する男性社員の意識は、「気の利く補助者」が31.4%でもっとも多く、次に「有能なパートナー」が26.0%となっており、「仕事の疲れをいやしてくれるような存在」「いろいろとハンディのある存在」とするものもそれぞれ1割います。

 資料2■ 男性社員の女性社員に対する認識

 気の利く補助者  31.4%
 有能なパートナー
26.0
 特に印象はない  
15.3
 仕事の疲れをいやしてくれるような存在
9.4
 いろいろとハンディのある存在     
9.0
 権利だけを主張し、責任を果たさない迷惑な存在
4.6
 負担を増やす存在
1.8
 男性の優位を支える差別された存在 1.5
 有力な競争相手  
0.9



1,相手方が明確に拒否している場合や、当然相手方が拒否することを予見できる場合には、本人の意図とは無関係にセクシャル・ハラスメントになることがあり得る
●直接相手に向けられたもの
 性に関わる発言
 性的関係の強要
 ポルノ写真を見せる
 しつこい交際の誘い
 身体に触れる
●間接的に相手に向けられるもの
 性的うわさを流す
●不特定多数に向けられるもの
 多くの人の目につくところにヌードポスターを貼る
セクシャル・ハラスメントの概念

1,相手方の意に反した、性的な性質の言動を行い2,それに対する対応によって仕事をするうえでの一定の不利益を与えたり3,又はそれを繰り返すことによって就業環境を著しく悪化させること

3,対価型セクシャル・ハラスメント
 権限を持つ上司からの性的な要求を拒否したため、解雇や昇級差別等の職業上の不利益が生じた場合

2,環境型セクシャル・ハラスメント
 明白には具体的、経済的な不利益は伴わないものの、屈辱的、敵対的な発言の繰り返しにより、就業環境を著しく不快なものとし、個人の就業能力の発揮に深刻な悪影響を及ぼす場合

資料3 不快と感じた経験の内容



資料4 セクシャル・ハラスメントと考えられる例

    


資料5■ 性に対する不快な経験
25.7%の女性が性に関する不快な経験があったとしています。

    ■グラフ 性に対する不快な経験がある女性の割合



さて、これを提出すれば、BASIC講座はおしまい。これで小論文を書く基礎は整ったはず。きっと問題を見ても、怖れることはなくなったはず。でもこの世界はもっと深い。
 先まで続けたい人はご連絡下さい。ADVANCED講座を用意してあります。とくに医学系、人文・社会系など各分野の知識は、特殊なものが多い。知識を増やし、高度な論文を書きたい人は、もう少し続けることをおすすめします。
 ではGood Luck!  また会える日を楽しみに。

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