大学生・高校生向け 論理的文章の書き方入門 

書き込めば身につく小論文メソッド

吉岡友治 著  三省堂
   定価 1944円(税込み) 
 
 
  書き込めば身につく! 小論文メソッド


◆はじめて論文を書く人に、初歩の初歩からの入門書

 『書き込めば身につく! 小論文メソッド』は、大学生のために書きました。とくに、高校までで「文章を書く」という訓練を受けたことのない学生のためです。日本の初等・中等教育では「「論理的に書く力」はなかなか養成されません。小・中学校で行われる「作文」は、自分の体験をまとめるのが中心で、そこから論理展開したり、自分の主張を展開したりすることが少ない。これでは、大学に入って「レポート」や「卒論」を課されたときに困ります。

 実際、私が、ある大学で「レポートの書き方」を教えたときにも、学生たちの文章に対するナイーヴさには驚かされました。学生に事前に書いてもらった小論文を匿名で添削しながら、論理的文章の仕組みを教えたのですが、あとから「題材に出された文章を書いた××ちゃんが『せっかく書いた文章を悪く言われた! 』と泣いていた。先生、ひどい!」と抗議されたのです。

 こういう抗議が出てくるのは、文章が、自分の心情表現としてしかとらえられず、読者との対話するための作法やスキルとして考えられていないためでしょう。だから、少しでも欠陥や問題を指摘すると、人格が否定されたような気になる。ここから始めなければならないのか、と本当にびっくりしました。

 そんなわけで、この本は「初歩の初歩」から書き始めています。テーマは「自分について」。就職のとき、エントリー・シートを書く訓練にもなりますね。その中で、主語は軽快にする/接続コトバを使いこなす、など、すぐに自分の文章をよくするのに役立つメソッドを紹介しています。しかも、トレーニングシートを用意し、それに書き込んでいけば「自分について」が完成するようになっています。雄就職対策としても役立つとともに、大学生の文章教育第一歩としてお得な一冊です。


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