2017年度版です！

◆『リアルから迫る　教員採用小論文・面接』の2017年度版が出ました！

　　教育については多様な主張がなされ、対立も激しいのですが、論拠が思い込みや信条に基づくことも少なくありません。明確な主張は信頼できず、公平すぎると曖昧になりがちです。教員採用試験の設問は「具体的な対策」を求めるものなのですが、しようがないので、従来の対策本は、教育にかける熱意や意気込みを「結論」に持ってくる傾向がありました。でも、コンセプトや戦略がないまま「気合い」や「努力」に頼ると、問題はむしろ悪化しがちです。
　この本は、理論とデータに基づき、仮説を提示して、解決策を模索しようとしました。もしかしたら、それは教育界の「常識」や「空気」とは違うかもしれませんが、考え方の筋道が明確に示せれば、試験官に対しても説得的なはずです。
　今年のテーマは「学校の安全と危機管理」。去年、大きな話題になった「組み体操」を例にして、「一体感」とか「全員の協力」あるいは「達成感」などの教育的な効果をねらうと、その危険性が見えなくなるだけでなく、危険がなければ教育的効果も得られない、というように倒錯した理屈が教育現場を覆っていく現象を追いました。