ちくま新書 

『東大入試に学ぶロジカルライティング』

吉岡友治 著  筑摩書房 
定価 886円(税込み) 
 
  『東大入試に学ぶロジカルライティング』筑摩新書


 ロジカルライティングは、バーバラ・ミントの本が世評高いけど、ビジネスマンに聞くと、異口同音に「よく分からん」と言う。名著かも知れないが、英語をそのまま訳したようなぎごちなさもあり、さもありなんと思う。

  この本は、東大入試の現代文と小論文を題材にしています。純日本的な素材を使った、ロジカルライティングの本。全体構造の作り方、論理のさばき方、例の出し方、発想の仕方など、明確に跡づけました。 文章を書くことは生まれつきの才能ではありません。訓練すれば身につくスキルです。

 ただ、その身につけ方が、今までちゃんと説明されていなかったから、神秘化されてしまう。でも「頭が良くても、うまく書けない」のです。 なぜなら、文章は相互コミュニケーションのお作法、ルールだから。頭のよさをひけらかすだけでは、他人は分かってくれません。分かるための手順を丁寧に踏むことが大切です。

 そのステップが逐一書いてあるのがこの本。最後まで読めば、文章についてのあなたの考え方は、きっと変わるはず!


本の構成
 第1章
  論理的に読めなければ、まず書けない
  (分かった「つもり」から脱する―表現から思考を読み取る
  社会的背景から日常を読む―社会モデルを当てはめる
  難解な表現を仕分けする―論理的・抽象的表現の解読)


 第2章
  書くための「型」を身に付ける
  (説得=対話の構造を作る―意見文の仕組みに習熟する
  具体的なものがわかりやすいとは限らない―抽象化の意味
  厳密な証明が論理の要―実用のための三段論法)


 第3章
  納得させるには「技」が効く
  (適切な例を出す―論と例の一致で説得力を
  有効な仮説で現状を分析せよ―パズル解きの価値
  明確な基準をたてて判断する―得失を自覚・評価する技術)
 

 第4章
  ただ正しいだけの文章と思われないために
  (批判の妥当性を疑う―ロジカルな議論の穴を見つける
  対立をスルーする方法―次元を上げて解決するための発想
  常識を覆す思考―逆説の使い方)

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