2010年5月17日
 
●『合格への道』への道    
  新緑の銀杏並木         
 
大変ご無沙汰しておりました! 前回に引き続き、読んで下さり有難うございます。いよいよ、今回で最後となりました。そして、私も、司法試験まで365日を切りました。そこで、『合格への道』という感じで書きたいところだけれど、まだ合格者ではないので、『「合格への道」への道』ということになる。司法試験対策として、私が思ったこと、気付いたこと、優秀な成績で合格した先輩から聞いてなるほどな、と思ったことを書いていこうと思う。

 2年生の後半にもなってくると、まわりも試験を意識し始める。すると、授業の合間に「ロー民訴(ロースクールでよく使用されている民事訴訟法の教科書)は試験向きじゃない! あんなの試験には出ないよ」「要件事実は試験に出ないから…」という会話が出ることがある。果たしてそうか? 実際にはロー民訴に出ていた内容が司法試験でも正面から問われているし、要件事実だって出ている。しかし、だからロー民訴も要件事実もしっかりやらなければだめ! と言いたいわけではない。結局、自分で実際に司法試験を解き、どんな知識がどの程度求められているのか自分で確認する必要があるのだ。

 そして、この作業はできるだけ早い時期にすることをおすすめする。なぜかというと、試験を実際に解いてみると、司法試験で求められている知識の射程や程度、出題者がどんな意図で問題を作ったかがわかってくるので、日々の勉強の方向性をつかむのに役立つ。更に、自分とゴールとの距離も見えてくる。だから、早いに越したことはないのだ。

 けれども、試験は実力がついてからやるとか、今やるのはもったいないとか言う人も結構いる。私も、もう少しできるようになってからじゃないと解けないと思っていたので、きちんと時間を計って答案を書く作業をしたのは2年生の後半になってからである。でも実際は、その科目について授業をとおして一通り学修したのであれば、問題を解くべきだったと思う。なぜなら、当たり前のことだけど、どうせ自分ができないことを知るのであれば早ければ早いほど手の打ちようがあるからだ。そして、成績優秀で合格された先輩方もおっしゃっていたのだが、最後まで完璧な答案なんて書けっこないのだから、できるようになってから…では遅いのである。
そして、もうひとつ大事なのは、書いたものはできる限り他者から講評をもらう機会を作ることだと思う。人の目に晒されて初めて気づくことや自分のクセもわかったりするからだ。これは、自主ゼミなどで多くの人が実践していると思う。

 このゼミをするにあたって、私が考えていたというか悩んでいたことがあった。それは、「誰とゼミを組むか」と「ゼミで何をやるか」である。 私は純粋未修者であり、しかも今までも散々述べてきたが、あんまり勉強もしてこなかったので、知識は圧倒的に少ないし、理解が正確でないこともある。そんな私と組んでメリットを感じる人がいるだろうか?! 足を引っ張ってしまうだけではないか?! その一方で、どうせゼミをやるならできる人と組んでその人から学んだ方がいいのではないか?! と思ったのである。実際に一年生の頃は、できる人に教えてもらうことが多かったし、議論も台頭にはできなかったからだ。
けれども、結局のところ、真面目で気が合う相手・一緒にいて楽しいと思う相手だったら誰でもいいし、むしろ、気が合わない相手・一緒にいて楽しいと思わない相手であれば、どんなにお勉強ができても組まない方がいいという結論に至った。それには理由が2つある。

 まず第1点目は、ゼミに何を求めるかにもよるが、私の場合は最低限、「強制の契機」という機能がありさえすればよいと思ったからだ。たとえば、司法試験の過去問を解くのは時間がかかる。しかも、自分が合格には程遠いことを知り、いやでいやで仕方ないからなるべく後回しにしたい。ましては平日に授業をこなすとなれば週末は疲れていて、なかなか重い腰(重い腕?)が上がらないのだ。けれども、ゼミがあれば、いやでもなんでも必ずやらなければならない。そこに強制の契機があるのだ。そして、もともとしんどいなーと思っているのに、そこに、気の合わない人と一緒となると、更にしんどくなる。しかし、気の合う人・一緒にいて楽しい人となら、なんか頑張ろうかな! っていう気にもなれるし、気分も紛れたりするのだ。

 第2点目は、法律の全体構造を全くわからなかった1年生のときに比べると、いくらできないとは言え、自分が何がわからないのかはわかるようになっているし、どの本を読んでどの判例をチェックすればいいのかもわかってくる。そうすると、自分よりもできる人から教わるよりも、自分で調べて自分で考えるという作業の方が、知識も定着するし納得感もあるのだ。  だから、私が今現在組んでいるゼミでは、文章を起案した当日は講評はせず、次回までに個々に復習や調べたりして学んだことを基に、お互いの文章を講評するのである。だから、私自身も一緒に組んでいる相手も飛びぬけてできる必要はなく、次回までにしっかり復習をすればよいのである。そしてこの方法は、ゼミ中の不毛な議論をさけることができるし、勉強の効率もよい。  もっとも、こんなことを考えなくても、結局は気の合うもの同士が自然と固まるようになっていると思う。

 次に、「ゼミで何をやるか」についてであるが、これについては、合格体験記なるものが巷にはあふれているし、直近の卒業生の合格報告会みたいなものがあって、いろいろな情報を手にすることができるので収集には困らないと思う(学校にもよるかもしれないが)。問題は、その中から何を取捨選択するかであるが、私は、解説か模範答案がしっかり載っているものを使うようにしている。ただ、それが何故よいのかということは、まだ合格していないので信用性が担保されておらず、残念ながらここでは語ることはできない。みなさんもいろいろ試行錯誤して、よい教材を見つけて欲しい。そして、一度決めたら迷わないことだ! その本を何回も何回も繰り返す。もちろん、司法試験の過去問も繰り返すのである。なんでも、1回こなしただけではたいして身になっていないのである。というのは、合格者も言っていることである。

 私が、司法試験の具体的な対策を講じ始めてから考えたことは、だいたいこのくらいである。こんなことは、2年生の後半あたりから気になりだしてくることだと思うし、純粋初学者にとってみれば進級の不安もあり、入学当初から合格について考えてもピンとこないかもしれない。でも、3年生になり司法試験まで365日を切るのは、本当にあっという間なのだ。その時がきたら、ちょっと思い出してもらって、少しでも役に立ててもらえたら嬉しいと思う。

  今まで、お付き合い下さり本当に有難うございました。 私もみんなも、絶対司法試験合格しましょう!!!!!  いざ、さらばじゃ!
               
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